慢性腎臓病とは、腎臓が何らかの不調を来たした状態が3ヶ月以上続くことです。
腎臓病は、初期のうちは自覚できる症状がほとんど出てくることがありません。
そのため気づかないうちに症状が進行し、気づいた時には既に慢性腎臓病となっていることが少なくありません。
腎臓病が慢性化すると、様々な症状が出てくるようになります。
たとえば体がむくんだり、貧血でふらつきやすくなったり、疲れやすくなったり
特に体を動かしていなくても、常に倦怠感を感じるようになったりもします。
また頻尿となり、日中はもちろん夜間にも何度もトイレに行くようになることもあります。
そして腎臓病は、初期のうちなら治すことができるのですが、
腎臓の機能ががある程度ダメージを受けると、自然には回復しなくなります。
これらの症状が出てきた時には、もう治すことが難しい状態になっているのです。
そのためそれ以上悪化させないように、注意しながら生活することになります。
腎機能を遠ざけるには、まずは食事療法です。
慢性腎臓病になると、腎臓の機能が低下している状態なので、酷使しないように、腎臓で処理される成分の摂取を少なくすることが肝心です。
特にたんぱく質と塩分をひかえる必要があります。
たんぱく質は、窒素代謝物という老廃物を作るのですが、機能の弱った腎臓では、それをうまく処理することができないのです。
そのためたんぱく質を多く摂取すると、腎臓に無理をさせることになりますし、処理できない老廃物が増えるため、むくみがひどくなってしまうのです。
そして塩分を多く摂取すると、体内に水分がたまるようになります。
水分は腎臓によって尿とされて体外に排出されます。
しかし腎臓が弱っていると、それが困難になります。尿とならなかった水分は、体のむくみとなります。
少量ずつ尿にされれば、頻尿となるわけです。
慢性腎臓病の症状がさらに進むと、食事療法だけでなく人工透析も必要になります。
人工透析とは、腎臓のかわりに老廃物や余分な水分を排出するというものです。
一般的には、血液を抜き取って、その中に溶け込んでいる老廃物や余分な水分を除去し、きれいにした状態で体内に戻すという方法でおこなわれています。
体内には、腎臓によって処理されなかった老廃物や水分がどんどんたまっていくので、人工透析はこまめにおこなわなければなりません。
このように、慢性腎臓病になると生活に大きな影響が出てくるのです。
そうならないようにするためには、まずは食生活に気をつけて、日頃から腎臓をいたわるようにすることが必要です。
腎臓に負担を与えるたんぱく質や塩分の摂取を徐々に控えめにしたり、血液中に老廃物がたまらないように運動と休養で血行を良くしたりします。
そうすることで、慢性腎臓病になるリスクは下がります。